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投資動向

投資の最新動向

 

グローバル投資市場の有力プレーヤーとして日本の重要性と適合性が軽視されることが多いのは、おそらく寡黙、内気、控えめという型にはまった日本の文化的特質が影響しているのでしょう。ただ、経済規模で世界第3位、人口数でも11位にランクインするうえ、潤沢な現金を留保していることを考えれば、日本ほど現在の市場の窮状に対処、克服する態勢が整っている国は見当たりません。現在は日出ずる国日本にとって絶好の好機なのです。

日本勢は2014年以降、驚異的なペースでベンチャーキャピタル業界への投資を加速させています。同年に3億米ドルだった市場規模はわずか5年で21億米ドルまで膨れ上がっています。これは実に7倍の伸びです。

2019年には、ソフトバンクと三菱グループが世界ベンチャーキャピタル(VC)投資額トップ10にランクインしました。日本には人口構成、周知の成長不在によるマイナス要因がある一方、国内企業の潤沢な現金留保には抗しがたい魅力があります。加えて、リスクの高い新興企業投資に対する受け止め方は明確に変化しています。

日本の投資家は概ね小規模の案件を大量に扱う傾向があります。こうした投資スタイルで新興企業ポートフォリオのリスクを軽減しています。

新興企業の約半数は年間ベースでプラスのリターンを上げています。ちなみに、VCファンドの上位25%の年間リターンは、過去10年間にわたり15%~27%でした(ケンブリッジ・アソシエイツ社調査より)。このレベルのROEに魅力を感じない投資家は皆無と言えます。では、ベンチャーキャピタル業界への日本資本流入がこれほど加速しているのはなぜでしょうか。主因は以下の3つであると当社は考えます。

1) 日本企業は将来を見据えてビジネスをプラニングするために、イノベーションへの投資を必要としている

2) 適切な新興企業への投資で巨額を手にできることは孫正義氏が実証済み

3) 日本企業は苦労して稼いだキャッシュの一部を運用する必要がある。今まで企業は運用に消極的であったが、時代は変化している。

将来も安泰な日本企業

ウォークマン、ディスクマン、ミニディスクプレーヤーが席巻する時代に、ソニーやパナソニックは何十年も黒字を続け、携帯オーディオ市場全体を日本勢が独占したように思われました。Appleが後にこの市場を支配するなど誰ひとり想像もしていませんでした。しかし、それが現実となりました。これはケーススタディとしては格好の例ですが、ソニーにとっては辛い経験となりました。何しろ音楽と映画産業の両方で多額の著作権投資をしていましたし、それ以前にも携帯オーディオデバイスを大量生産するため世界の有名企業と製造工場に投資し、消費者向けエレクトロニクス製品の世界的流通網にも投資していました。ともかく、ソニーは次世代の携帯オーディオデバイス市場を制覇するチャンスを取り逃がしてしまいました。規模が大きすぎたのでしょうか?社内体制がお役所的すぎたのでしょうか?あるいは…現状に満足して、数十年続いた市場支配を吹き飛ばす破壊的テクノロジーを市販化させるというアイデアに乗り気になれなかったのかもしれません。

いずれにしろこの経験はソニーにとって教訓となったようで、Sony Innovation Fundの創設につながりました。猛烈なスピードで変化し、進化の足を止めない業界で生き残り続けるには、イノベーションへの投資が何より重要であると悟ったことは明らかです。

トレンドを味方に。孫正義氏に続け

孫正義氏は、適切な新興企業に投資すれば多額のリターンが得られることを実証しています。日本の非常に保守的な取締役会のメンタリティを変えるのは一筋縄ではいかないでしょうが、孫氏は日本の投資家向けのリターンが存在することを他の日本企業に行動で示しています。もちろん、賢明な投資とある程度の幸運の両方が必要であることも否めません。

ベンチャーキャピタルは現在、日本企業の投資先として有力な候補となっています。孫氏の活躍でにわかに注目を集めているのです。ちなみに、伝統的でより安定的な他の資産クラスのリターンは急速に縮小しています。日本企業がハイリスクのVC市場に挑戦する姿勢を美化するのは良心的ですが、そうしなければ、不利益を被ることになります。 

資本運用

1989年、日経株価指数は史上最高値の38,915に達しました。その30年後、指数は22,000近辺を推移しています。その間大幅なインフレがあったことを考えると、日本経済が史上最高値まで戻すまでにかなりの空白がありました。他のアジア市場の大半および米国市場が史上最高値を付けたのは比較的最近のことです。日本市場は同じ時期、やや勢いをなくしています。日本企業はこの問題を比較的簡単な治療法で解決できます。株価の魅力を高めるために配当額を引き上げなければの話ですが。企業に必要なのは投資です。

日本企業は利益の約40%を株主に還元しています。米国企業のこの割合は大幅に高く70%です。日本の銀行で眠っているキャッシュの額は実に500兆円に相当します。大半の国のGDPを上回る額です。安倍政権が2013年に発足した時、首相はこの巨額の現金留保はもう続かないと主張しました。ところがそれから7年経っても現金留保は記録的水準にあり、減少する兆しもありません。

国内の多数の事業はバブル崩壊後の貸し渋りで窮地に陥りましたが、それ以来、時計の振り子はまったく逆方向に振れています。日本企業の経営陣は資本投資の拡大が必要だと自ら認めています。

当社の推計では、今後数年、ベンチャーキャピタル市場には豊富な機会が存在し、競争もそれほど激しくありません。これは現金を手元に保有し、格好の機会が浮上したときに引き金を引く日本式ビジネスモデルに適しています。何十年もの間に現金留保を蓄積してきた現在は、日本企業にとって投資をして高いリターンを生み出し株主の信頼に報いるまたとない機会です。